兎眼(とがん)

まぶたを完全には閉じられずに、眼球表面が露出したままになった状態のことです。
昔、兎〈うさぎ〉は目を開いたまま眠ると信じられていたことから、こう呼ばれるようになりました。
兎眼は、外見上の問題だけでなく、むきだしになった角膜が乾燥して“角膜障害”を起こし、ひどくなると角膜に孔があいて失明することもあります。
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まぶたを完全には閉じられずに、眼球表面が露出したままになった状態のことです。
昔、兎〈うさぎ〉は目を開いたまま眠ると信じられていたことから、こう呼ばれるようになりました。
兎眼は、外見上の問題だけでなく、むきだしになった角膜が乾燥して“角膜障害”を起こし、ひどくなると角膜に孔があいて失明することもあります。
“重症の眼瞼外反” や “甲状腺の病気” による眼球突出、
“やけどや外傷による瘢痕” や “まぶたの欠損” などの外傷、
“顔面神経まひ”
で、筋肉が収縮しなくなるために起こることが多いのですが、
また
“目の腫瘍” などにより眼球が突出するために起こることもあります。
治療としては、まず原因疾患の治療とともに、
軽度の人は、
昼間は粘り気のある目薬(コンドロンなど)を点眼し
夜寝る前には軟膏を塗布する。
強度の人は、
昼間はソフトコンタクトレンズを入れて何度も点眼し
寝る時には上と下の眼瞼を絆創膏で固定して寝る。
まぶたを閉じるテープや軟膏で角膜を保護して、
角膜障害などさらなる重症化を防ぐことが重要です。
その後、まぶたの形成手術を行います。

代表的な症状は、「かゆみ」です。
かゆみの他に,まぶたのふちが赤くはれる,ただれる,カサカサするなどの症状が一般的で,
よく目をこする幼少児にこの病気が疑われます。
眼の周囲は涙が付着しやすく、また瞬き現象により皮膚が伸縮を繰り返します。
また顔面の中では乾燥し易い部位で、眼を擦ることもしばしばですから
眼の周りはしばしば湿疹を発生します。
鼻の鼻腔内および外耳道内は細菌の宝庫ですから
耳・鼻をいじった手で、まぶた(瞼)こすると眼瞼部の湿疹・皮膚炎は細菌感染をしばしば併発します。
かかる状態は膿痂疹性湿疹であり全身広範囲のとびひのルーツになることがあります。
感染性の場合は、
抗生物質による薬物治療を行います。ヘルペスウイルス性のときは抗ウイルス薬を用います。
非感染性の場合は、
アレルギー体質が原因になることが多く,そこに外的な刺激や細菌感染が加わり起こってきますから,反復再発しやすく,長期にわたる慢性的な炎症になっていることが多いようです。同時に慢性結膜炎を伴っていることもあります。
まず、まぶたをよく洗って清潔を心がけます。それで回復しないときはステロイド薬の軟膏が用いられます。
どちらの場合も中等症以上の場合は
ビタミンB2とビタミンB6を内服すると良いケースがあります。
時にトラネキサム酸とかL−システインを内用して良い場合もあります。
俗にただれ目という眼瞼縁炎は、眼瞼炎の一種です。
まつ毛の生え際が炎症をおこしたもので、治療を受けずに放置すると、
炎症がひどくなり、まつげの脱毛や睫毛乱生を招くことがあります。
そのため、炎症が起きたときは、眼科できちんと診てもらうことが必要です。

「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」は、
目に脂を分泌する瞼板腺が詰まり、
慢性の炎症が起こる病気です。
麦粒腫と混同されやすく、
ものもらいと呼ばれることもありますが、
医学的にはまったく別の病気です。
まぶたにある,涙の脂肪分を出す瞼板腺(マイボーム腺)がつまってしこりができたもので,
上から押さえるとコロコロしたしこりに触れます。
麦粒腫に外見上似ていることもありますが,痛みのないのが特徴です。
ときに,そこに細菌が感染し炎症をおこす場合(急性霰粒腫)があり,そのときは痛みがでてきます。
しこりが大きいのにかかわらず放置しておくと,しこりが眼球を圧迫し,
角膜乱視を引き起こして視力障害を起こす場合もあります。
しこりが小さければ自然に吸収されることもありますが,
徐々に大きくなってきて、外見上も不快になってきたら
手術でそのしこりを摘出しなければなりません。
しかし,最近ではしこりのまわりに副腎皮質ホルモンの注射をして吸収させる方法もあります。
細菌が感染した急性霰粒腫の治療には抗生物質による薬物治療を行います。
まつ毛は,ほこりが角膜や結膜にあたるのをふせぎます。
まつ毛の毛根の周囲には知覚神経が集まっていて,
ほこりが触れると,角膜や結膜にあたる前に感じとって,自然にまぶたを閉じてしまいます。
また,まつ毛のまわりのまぶたの組織は,体の中で一番うすい皮下組織であるため,
非常に早く動けるようになっています。
ですから,泣いたり,虫にさされたり,物が当たったり,顔をうつむけにして寝たりすると,すぐはれやすくなるのです。
まつ毛は約10mmのかたい毛で,上まつげは100〜150本,下まつ毛は50〜75本です。
髪の毛が毎日何本か抜けるように,まつ毛もやはり抜けますが,一日に数本だそうで。
普通は抜けたまつ毛のほとんどが目の外へ落ちたり,手やハンカチ・タオルにつきますが,
たまに目の中へ入ることがあります。
このときは,涙とともに鼻へ流れさってしまうのがほとんどですが,
時には下まぶたの結膜のうに入りこんだり,涙の出口(涙点)につまったりすることがあります。
このような場合は必ず,まつ毛の根元(毛根)が涙点から顔を出しています。
目を動かすとくろ目(角膜)に当たってコロコロと異物感を訴える場合がよくあります。
まゆ毛の役目は,
額の汗や水が眼に入らないようにし,目の横に流すようにします。
まゆ毛のはえている部分には,脂を出す皮脂肪線がたくさんありよく水をはじき,
また,汗を出す汗腺がはとんどないので,汗が目に入らないしくみになっています。
まゆ毛は大体,左右合わせて1,300本,長さは7mm〜10mmといわれています。
まぶたは眼球を外傷から守り,日の乾燥や寒さから守る働きをしています。
一重まぶたは,まぶたの下の脂肪が多いため,厚くてふっくらとしています。日本人のようなモンゴロイド系の黄色人種に共通する人種的な特徴です。
二重まぶたは,一重と逆にまぶたの下の脂肪が少ないため,まぶたにたるみができて二重になっているものです。
ヨーロッパ系の人種の特徴です。
しかし,一重の人でも,やせたり年をとってまぶたの下の脂肪が少なくなってくると二重まぶたになってしまいます。
まぶたの本当の役目からいうと,二重より一重の方がよいわけですし,
両親から与えられたこの世でたった二つのまぶたですから,
大切にして,美容の目的だけで二重まぶたの手術をしたりすることはできるだけやめましょう。
視神経は眼球の奥にある中心窩から4〜5mm内側にある眼球壁をつらぬく視神経乳頭を中心として出ています。
視神経乳頭の直径は1.5mm,神経は,眼球内では0.7mm,眼窩内では3.0mm,視神経内で6mm,頭蓋内で15mmの太さがあります。
長さは,全長35〜50mmで視交叉までの部分を視神経といいます。
そして,この視神経はおよそ100万本の神経線維からできており,
そのうち80%は視覚に関係し,残りの20%は瞳孔などの運動に関係しているといわれています。
硝子体は眼球の内部の大部分を満たしている無色透明の,卵白よりやや固いゼリー状のもの(透明なゲル)で99%が水です。
硝子体は水晶体の後ろに接し,眼球の奥では,一部で網膜とくっついていますが,ほとんどは軽く網膜と接しているだけです。
役割としては,眼球の形を保つと同時に,入ってくる光を屈折させます。
角膜と強膜によって外側をつくられている眼球は,いつでも一定の圧力を保っていて,この圧力を眼圧といいます。
この圧力を保つためには,主として房水のつくられる量と排出される量が一定に保たれていなければならず,この経路に異常がなければ一定の張りが眼球に与えられます。
眼圧は常に一定ではなく,正常な眼圧は一日5mmHg以内の変動があります。日本人の正常眼圧は10〜20mmHgで,25mmHg以上では病的と考えられます。
なお,眼圧が異常に上昇した場合は緑内障,逆に異常に低下した場合を低眼圧といい,眼科疾患として非常に気をつけなければなりません。
角膜と虹彩のあいだ(前眼房)と虹彩と水晶体のあいだ(後眼房)を満たす透明の液体のことです。
房水は毛様体でつくられ,後眼房から瞳孔を通って前眼房に流れ,虹彩付着部と角膜のなす角の部分(前房隅角)からシュレム管に吸収され眼球外に排出されています。
この房水は,いつでも一定の量で排出され,水晶体や角膜に栄養を与えています。
チン氏帯(毛様小帯)は毛様体と水晶体の間を結び水晶体を支えるはたらきをしています。また,毛様体の節肉(毛様体筋)と協力して,遠くや近くを見るときに水晶体の厚さを変えるはたらき(調節作用)をしています。
・遠くのものを見るとき 毛様体筋がゆるんでチン氏帯がひっぱられレンズをひらたくします。
・近くのものを見るとき 毛様体筋がちぢみ,チン氏帯がゆるんでレンズはまるみと厚みをもち,屈折力を増します。
なお,遠くや近くのものを見るとき,焦点を合わせるのにかかる時間を調節時間といいます。
・調節緊張時間 近くのものを見るのにかかる時間(約1秒くらい)。
・調節弛緩時間 遠くのものを見るのにかかる時間(約0.6秒くらい)。
水晶体は外から入ってくる光を屈折させ,網膜に像をうつすという重要なレンズの役割をはたしています。また,単に光を屈折させるだけでなく,目にとって害のある紫外線を吸収し,紫外線が網膜に達するのをふせいでいます。
水晶体の特徴としては,
(1)水晶体はほとんど水(65%)とたん白質(35%)からなりたっています。
(2)血管や神経は全くありません。そのため,他の器官のように血液から栄養をとるのではなく,房水(角膜と水晶体の間にある液)から栄養をとり,いらなくなった老廃物を房水の中にもどしています。
(3)水晶体の厚さは4〜5mm,直径9〜10mm,碁石のような形をした透明なもので,チン氏帯(毛様小帯)が付いてレンズをささえています。
(4)水晶体は外側から,水晶体上皮,水晶体皮質,水晶体核からなりたっています。水晶体核は赤ちゃんにはなく,年とともに水晶体皮質が増えながら中央へ移っていき,圧縮され,25歳ごろから硬くなり,だんだん淡黄色に着色して核になります。
(5)水晶体は新生児の場合はほとんど球形で強い屈折力をもっています。これは,眼球の前後径が短いために,光学的に手助けをしているためです。
ひとみは瞳孔といわれます。虹彩の中央にあるまるいあなで,光の入口です。これはカメラでいえばシポリにあたるところで,光が強い(明るい)と小さく縮み,夜や暗いところでは大きくなって目の中に入る光の量を加減します。また,それと同時に,近くを見るときは縮小して像をはっきりとさせます。
ひとみの特徴としては,
(1)角膜の後ろ2〜3mmのところにあります。
(2)虹彩は色素をもっていて光の入るのを防ぎます。
(3)虹彩は毛様体という組織で固定されています。
(4)ひとみは,興奮したり感動したりすると大きくなり,睡眠中は強く縮小しています。
光とひとみの働きについては次のようなものがあります。
(1)対光反応 一 生きているときにしか起こらない反応で,目に光をあてると0.2秒後にすばやく縮瞳し,1秒間で最高になってその後少し散瞳します。
医師が,死亡直後の人の目にライトをあて「ご臨終です」と言う光景をテレビなどで見たことがあるでしょう。これは対光反応を見ているのです。
(2)間接対光反応 一 光を片方の目にあてると,反対の目のひとみも小さくなります。
(3)近見反射(輻輳(ふくそう)反射) − 物を近くで見たりすると,ひとみが縮小する場合をいいます。
ブドウ膜とは,強膜と網膜の中間にあり,血管や色素に富んだ膜で,虹彩,毛様体,脈絡膜の三つをまとめてよんだものです。
(1)虹彩 一 角膜を透して見える,日本人ではこげ茶色の部分で,瞳孔から入る光の量を調節しています。
ひとみの色は虹彩の色で決まります。虹彩の色はその中に含まれているメラニン色素の量によって決まります。この色素の量が多いと茶かっ色,少ないと灰色や青色になります。
(2)毛様体 一 虹彩を固定する役目とチン氏帯を介して水晶体を支え,水晶体の厚さを変える働きをしています。また房水産生にもかかわっています。
(3)脈絡膜 一 内側の網膜と外側の強膜によってはさまれたうすい膜で,多量の色素があり,眼球内を暗くしています。つまり,カメラの暗箱の役目をしているわけです。また,血管も多く,血管のない網膜外層に栄養を補給しています。
強膜とは,眼球の外側をつくるいわゆる「しろ目」であり,乳白色の強くて囲い膜で,前方は角膜とつながっています。
その下には脈絡膜という黒褐色の膜があります。
構造的には腱に近く,血管が少なくてほとんど光を通さないため,眼球内へ不必要な光が入るのを防ぎ,眼球の内部を保妄害し,眼球の形を保っています。
この強膜は比較的病気の少ないところですが,外傷などで破裂したりすると,眼球の内容物が出てしまい,視力に重大な影響をおよぼすことになります。
角膜とは,眼球の最も外側の部分の透明な膜で,よこ11mm,たて10mm,厚みは0.7mmあり,「くろ目」にあたるところです。これに連なっていわゆる「しろ目」の強膜があります。
役目としては,限球の形を保ち,外の光を通して光を屈折させ,ひとみの中に光を送り込みます。つまりレンズの働きをするのです。
光の屈折力は,角膜と前房で眼球全体の屈折力の2/3にあたります。
角膜の特徴としては,
(1)血管のない組織(無血管組織)で,周囲の血管網と前房水と涙によって栄養をとっています。また酸素は,ほとんど大気中からとっていますが,涙液からもとっています。
(2)痛覚,冷覚には非常にするどく,また痛覚は角膜中央部のほうが周辺部より敏感です。温覚についてはあるかどうかはっきりしていません。
(3)温度は表面をうるおす涙の蒸発のため体温より少し低いのが普通です。
(4)形としては,ラグビーボールのような楕円形と考えてよいでしょう。
結膜という言葉は,眼球とまぶた(限瞼)をむすぶ組織という意味で,まぶたの内面と強膜(しろ目)の前面をおおっているうすい透明な膜です。
そして,次の三つに分けられています。
(1)瞼結膜(けんけつまく)
まぶたの裏をおおう部分で,まぶたとしっかりくっついています。
(2)円蓋部結膜(えんがいぶけつまく)
瞼結膜から球結膜へと移る間の部分で,広いポケットをつくっています。そして,眼球とまぶたの運動をしやすくしています。
(3)球結膜(きゅうけつまく)
これは白目に当たるところで,強膜の上をおおい,角膜(くろ目)との境で,強膜と強くむすびついています。そして,多くのしわをつくって眼球の運動を円滑にできるようにしています。
結膜の知覚は,角膜と同じで,痛覚と冷覚だけしかありません。(三叉神経の第1枝と第2枝によって支配されているため)。
結膜炎は,主として瞼結膜,円蓋部結膜にみとめられ,球結膜の充血は結膜炎の症状が強い場合他にみられます。